トラベログ

 積ん読の話。

 本をゆっくり読むことができない。どんな本でも、できれば一日で、せめて三日以内には読み終わりたい。日をまたいでちびちび進めていくと、話の繋がりを忘れてしまう。一度集中が切れるとペースを戻すのはなかなか難しいもので、僕の枕元には、冒頭だけ読んだ本が堆積している。本の山は背表紙を変えながらどんどん高くなっていく。読み手としてとても不誠実だと思うので、そろそろ踏破したい。

 一度物語を始めたら、最後まで書ききるべきだと僕は思う。面白かった。つまらなかった。やめておけばよかった。無意味だった。きっと、最後の一言はなんでもいい。ただ、自分なりの句点を打たなければいけない瞬間が、いつかやってくる。上手く書けたなら、誇らしげに。納得がいかなくても、唇を噛みながら。