futuristic imagination

 エアコンの話。

 大学の暖房は一元管理されているようで、何度いじくっても21℃になってしまう。エコや節電が大事だというのは重々承知しているけれども、この建物はひどく冷えるのだ。せめてあと3℃、いや2℃あげてくれれば、と思うけれど、気がつくと操作盤の数字は元に戻っている。
 
 冬の24℃はとても気持ちいいのに、夏のそれはお腹が痛くなるほど寒い。温度差の問題だよ、と言ってしまえばそれまでかもしれない。でも、僕には、周りの条件によって簡単に変わってしまう感覚というものが、とても不思議に思える。からだに備わっている色々なものさしは、やたらぐにゃぐにゃとしている。こうして黒鍵を叩く僕の気分も、薄暗い部屋の光、目の前にあるまっさらな黒板、それと21℃の暖房に影響されているのは、間違いない。いま顔を埋めているマフラーが紺色じゃなくオレンジ色だったら、もう少し元気な文字が出てくるのだろう。おそらく。冬場は紺色と茶色の服ばかり着ている。

 school food punishmentという、僕の好きなバンドが活動を休止するらしい。馴染みの曲も、また普段と違って聴こえる。より悲しく、より寂しく。