河本のお母さんが生活保護貰ってた話について、僕が思ったこと

 メタな目線を導入しよう、という話。

 次長課長の河本のお母ちゃん(+α)が生活保護をもらっている、ということについて巷では大騒ぎなようで。これについてはすこし思うところがあったので、備忘録も兼ねて簡単に考えをまとめます。

 
 (1)関係者の人となりを一切無視する
 (2)生活保護の受給が不正だった
  (=河本のお母ちゃんは生活保護を貰うべき人ではなかった)

 という2つの仮定のもと、考えられる問題は以下の3つです。

 (A)生活保護の給付に関する判定水準がおかしい
 生活保護の給付に関する判定基準に問題があって、本来貰うべきではない河本のお母ちゃんも生活保護を貰えるようなシステムになっていた可能性があります。(解決策:誰に生活保護をあげるべきなのか、制度を再検討する)
 
 (B)生活保護の給付について、チェックがずさん
 生活保護に関する判定基準は正しく整備されていたものの、ルールの運用に問題があったのかもしれません。河本のお母ちゃんが「生活保護を貰うべきでない人」であることに、誰も気づかなかったのかもしれません。(解決策:ルールの運用状況を再検討する。給付を判定する人はきちんと働いていたか?それとも人手不足か?)

 (C)生活保護と労働のバランスが悪い
 上記2つの問題点があったとしても、生活保護にさほど魅力がなければ、河本の母ちゃんは生活保護を受けよう!とは思わなかったでしょう(すごくがめつい人だった可能性は置いといて)。ルールの穴をつきたくなるのは、それで得をするときだけです。お金を稼ぐには(基本的に)働くしかありませんから、「まともに働いてられるかよ!」と、河本の母ちゃんに思わせる何かがあったのかもしれません。(解決策:生活保護の給付額と、労働により得られる賃金の額のバランスを見直す。生活保護を減らすか、賃金を上げる)

 
 個別の事例を躍起になって持ち上げたところで、本質的な問題はなにも解決しません。メタな目線で問題を一般化して、今後のシステムの構築・運用に活かしてほしいなと思います。似たように生活保護を不正受給してる芸能人を見つけるとか、河本の私生活を過度に暴くとか、そういうもぐら叩き的な発想でニュースが消費されないことを強く望みます。適当なところで話を切りあげたら、一番とばっちりを食うのは、無用に猜疑の目を向けられる「本当に生活に困っていて、生活保護を受給している人」なのは明確です。