水星

 押し流される話。

 机に向かいながら、日がな一日tofubeatsくんの音楽を聴いていた。tofubeatsくんの名前は前から知っていたけれど、音源を聴いたのは昨日が初めてだ。ファン歴は2日ということになる。不思議な暖かさの音がとても気に入っている。年下の才能溢れる人がたくさんいるという状況は、自分がすこし大人になったようで、そんなに悪いもんじゃない。

 この飲み会は遠慮しようとか、このイベントはスルーだとか。好きな事を我慢するのがとても苦手な僕にとって、最近の生活はこなすだけでもなかなかの労力がいる。好きなことを好きなだけやるにはお金も時間もたくさんいるし、わがままを通すには、周りの寛容に甘えるかしっかりと能力を示すしかない。自分で組んだきつめのスケジュールに背中を押されて歩いていると、くびきの重たさに背中が丸まる。昨日マッサージをしてもらって体は多少軽くなったけれど、僕にを地面に押し付けているのが肩こりじゃないってことは自分が一番よくわかっている。水星とは言わないけれど、厄介事にケリをつけたら、どこか遠くに行きたいな。