こんぺいとう

 断線の話。

 夜中、20分弱かけてダウンロードしたMP3ファイルにくっついていたライナーノーツを読んでいたら、デジャヴが来た。初めて聴くアルバムだったから、これはきっとほんとうのデジャヴだと思う。知らずに同じ行動を繰り返していたとか、その手のボケではないと信じたい。まだ24歳だし。

 脳みその容量は想像以上に大きくて、生まれてから見聞き知ったことすべてを正しく覚えているのだ、とどこかで聞いたことがある。鍵を忘れた引き出しにも、確かに記憶は詰め込まれているのだとか。ほんとうかどうかは知らない。昨日の夜の懐かしさは、開かずの間にテキストファイルが挟み込まれたせいかもしれない。

 忘れたことは忘れたままでいいと思っている。忘れるのにも自分なりというか、脳なりというか、なんやかんやの事情があるのだと解釈している。留めて置きたい昨日とか去年とか10年前だとかは、口にするか文字に起こすか、甘噛みしてやればいい。