トラベログ

積ん読の話。 本をゆっくり読むことができない。どんな本でも、できれば一日で、せめて三日以内には読み終わりたい。日をまたいでちびちび進めていくと、話の繋がりを忘れてしまう。一度集中が切れるとペースを戻すのはなかなか難しいもので、僕の枕元には、…

黄金の月

卒業式の話。 昨日は僕の大切な友人たちの卒業式でした。僕はダブってるので見送る側。 6年間の努力と喜びと挫折が、夜道を歩くよすがとなりますように。くだらない思い出が、世界の素晴らしさを信じる理由になりますように。心から願っています。みんな、卒…

俺たちに明日はある

春とディテールの話。 前髪をめくる風も、日向で浴びるには心地よくなってきた。花粉さえなければなぁとは思うけど、寒いより暖かいほうが何倍も過ごしやすい。えりあしに手櫛が通りにくくなってきたから、美容院の予約を入れた。 大学に入って丸六年も経つ…

イエス

24歳になっちゃった、という話。 年を追うごとに一年のサイクルが早まっている気がします。23歳は一瞬で終わってしまいました。気づけばもう24歳です。 周囲の人々に貰ったたくさんのものを、半分だけでも返せるようになりたいな。

Magic Hour

3月の話。 技術の進歩でお気軽に連絡がとれるようになったとはいえ、3月が纏う別れの匂いはすこしも薄まらない。卒業ソングと桜ソングは、今年も乱発されるのだろうか。あんなものに頼らずとも、カレンダーを眺めているだけで、充分センチメンタルな気分に浸…

おやすみなさい

夜の話。 夜は静かだ。雨どいを伝う水の音、押し込んだキーボードが跳ね返る音、昼間に聞こえない音が我が物顔で部屋に響いている。コンタクトを外した視界はぼんやりとしていて、部屋の端に積んだ本の題名がよく見えない。狭く暗く静かになった部屋で、内省…

レトロメモリー

昔話。 僕が飽きもせず大学生活を謳歌しているうちに、高校生の頃付き合っていた女の子は母親になったそうだ。時の流れの速さがすこし怖い。 蝶の羽ばたきが竜巻を起こす、なんて話を思い出した。たくさんの選択が複雑に影響し合って、いま僕はここでこうし…

エネルギヤ

行間の話。 iPhoneを手にして以来、一日に見る文字数が格段に増えた。僕のTwitterのTLは、ここ最近だいぶおとなしくなったとはいえやっぱり激流で、様々なアイコンが語るてんでばらばらのつぶやきを追いかけていると、頭がくらくらしてくる。怒っている人、…

透明人間

都会の話。 車線が多い道路の両側に大きなビルが居座っている、生活感のない町並みが好きだ。ご近所付き合いも皆無だし、スクランブル交差点も怖がらずに渡れるし、我ながら都会の生活に馴染んでいるなと思う。 人の流れにうまく乗れると、不思議な安心感が…

『ヒミズ』

映画の話。 新宿バルト9で『ヒミズ』を観てきました。夜の映画館は落ち着いた雰囲気で心地よかったです。原作に関する知識も特になく、監督である園子温さんの作品も未見だったので、かなりまっさらに近い状態で観ることが出来ました。面白かったので感想を…

AFFAIR

夜の寒さの話。 夜になると急激に冷える気がする。気温の問題なのか、心象の問題なのか、そこのところは定かじゃないけど。からだを縮こませて帰り道を急いでいるとき、眉間にしわがぎゅーっと寄っていて、なにが楽しくてこんな顔しなくちゃならないんだと思…

Brand New Wave Upper ground

お腹いっぱいの話。 重めのラーメンを胃袋に叩き込んだせいで、すこし重心が低くなった気がする。使い道のない肉が、ぷくぷくと体に蓄積されていく…

FUEL

治りかけの風邪の話。 熱が下がり始めた体は、たまねぎの皮が剥けるみたいにだんだんと軽くなってきている。冬の風に吹かれるとまだ辛いけど、菌だかウィルスだかは、頭の芯と喉の周り以外からは一掃された気がする。 頭がよく動いてるときは体のことなんて…

ムーンライト銀河

イヤホンの話。 移動中は、大体いつも耳が塞がっている。高校生の頃から電車に乗る時間が長いので、手元に音楽を携帯していないとなんだかそわそわする。MDウォークマンからiPod、今はiPhoneと、使う道具は変わっているけれど、飽きもせずシャカシャカと耳元…

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

本の話。 ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を読みました。2005年にアメリカで出版された小説ですが、邦訳が出たのは2011年の6月です。とても面白かったので、感想を書いてみます。核心部分をネタバレるつもりはあ…

Save Room

片付けに失敗した話。 年始に一念発起して片付けを始めたものの、気づけば計画は頓挫していた。とにかくモノが多い。いくらなんでも多すぎる。至るところに積み上がった本のせいで、僕の部屋はちょっとした古本市みたいになっている。クローゼットのなかには…

futuristic imagination

エアコンの話。 大学の暖房は一元管理されているようで、何度いじくっても21℃になってしまう。エコや節電が大事だというのは重々承知しているけれども、この建物はひどく冷えるのだ。せめてあと3℃、いや2℃あげてくれれば、と思うけれど、気がつくと操作盤の…

Drifter

足の話。 かなり寒がりだけど、寝るときに靴下を履くのはあまり好きじゃない。今日は足がもげるかもしれんと思った日は仕方なく装備するものの、素足のほうが心地よく感じる。一日ぎゅっと締め付けられていた足を解放してあげたくなる。テニスを辞めて以来、…

Red light, Blue light, Yellow light

信号の話。 井の頭通りに立つ信号機の足下にくっついたパネルは「しばらくおまちください」の文字を控えめに光らせている。ここで言う「しばらく」は、20秒だろうか、30秒だろうか。僕の思う「しばらく」よりも、ずいぶんと長く感じる。10時半の井の頭通りな…

坂の途中

やる気!元気!井脇!の話。 やる気も元気も足りない、ましてや井脇でもない僕にとっては、一日をうつむかずに過ごすというのがなかなか難しい。手を抜いた自分が嫌になる、という基本パターンから、目の前にある膨大なタスクにうんざりするパターン、過去の…

煙に白

東京に雪が降った話。 どうせ寒いならとことん寒いほうが諦めもつくというもので、雪が降り積もっていた数日間はけっこう楽しかった。通学路をでーんと塞ぐ雪だるまやら、駅前で豪快に転ぶサラリーマンのおっさんやら、雪のおかげで日々にささやかな彩りが加…

Re:Re:

相談事の話。 稀代の穀潰しと名高い僕でも、ときどき相談を持ちかけられたりする。とてもありがたいなと思うものの、一通り話し終わったあとは、もやもやした気分になることが多い。どうも、人の相談に乗るのはそこまで得意でないらしい。身近な人の力になり…

Dirt Off Your Shoulder

肩凝りの話。 ここ数日、ひどい肩凝りに悩まされている。慌ててストレッチなぞしてみたものの、焼け石に水だった。おかげで気分がイマイチ優れない。こんな悩みが自分に降り掛かってくるなんて思いもしなかったので、かなりびっくりしている。なんてったって…

彼の落書き

髪の話。 女の子は髪で手を拭く、という衝撃の事実を知り、自分のなかの少年がまた一人死んだ気がする。

世界が終わる夜に

成人式の話。 昨日一昨日は成人式だったそうで、振り袖を着た女の子を電車のなかでたくさん見た。普段、街行く人はみんな年上に見えているので、この子たちはみんな僕より年下なんだと思うと、少しびっくりした。 節目の年には「将来の夢は?」とか「10年後…

moonlight stepper

とてつもない発見の話。 1.てのひらを合わせて、両手を胸の前にピーンと伸ばす。 2.左手はそのままに、右手で10回「アイーン」する。 3.右手を1.のときの位置に戻す。ちょっとだけ伸びてる。 4.右手はそのままに、左手で10回「アイーン」する。 5.左手を1.の…

そのスピードで

箱根駅伝の話。 お正月のTLは箱根駅伝の話題でもちきりだった。普段はリストを眺めてばかりだけど、こういうときはメインのTLを見るのが楽しい。特定の大学を応援している人、全体の趨勢を見守っている人。沿道の様子や実況の内容、各校の作戦に注目している…

ゴールデンタイムラバー

去年と今年の話。 2011年は、「変われなかった一年」って感じでした。世の中の大騒ぎとは対照的だけどね。2011年に限らず、ここ数年はピリッとしない日常が引き延ばされているので、そろそろ動きたいと思います。立ち止まってるのはね。もう飽きた。 日付が…

風招き

掃除の話。 なにを血迷ったのか、大掃除をすることに決めた。とんでもない量の本やらプリントやらが散乱している部屋を片付けるのは、正直骨が折れる。でも、それ以上に、物が多い部屋の圧迫感に息が詰まるようになってきてしまった。僕の部屋はやたらと密度…

Last Friday Night

夜の話。 珍しく睡眠時間が短かったせいで、ひねもすぼんやりとしていた。他人の体に間借りしているような感覚が抜けたのは、日が落ちてからだった。なにもしないでいると、一日は退屈に素早く過ぎていってしまう。 夜更かしは好きだけど、自分が朝型なのは…